「だから、ここで一度火を止めているけど、止めずに蜂の針を入れれば・・・この過程は省略できると思うんだ・・・」
「なるほど・・・その可能性はあるな。試してみよう」
「ついでに、此処はナイフで切り刻むよりも石なんかですり潰した方が効果的だと思うんだけど」
「・・・・・・石か・・・石だと石自体が削れてしまった場合に危険が伴う。危険性の無い何かを考えるとしよう」


OWL試験を無事にパスして六年生に進級したは、現在図書室の一角で二冊の“魔法薬学 〜よりその奥を求めて〜”を前にセブルス・スネイプと並んで意見の交換中である。
六年生になったは、相変わらず“ホグワーツの騎士”を続けていた。


「そろそろ戻るか」
「・・・・ああ、こんな時間だったんだ」


どちらからとも無く席を立つと、は“魔法薬学 〜よりその奥を求めて〜”を何枚かの丸めた羊皮紙と共に腕に抱え上げ、セブルスもまた同じように荷物をまとめた。
人の少ない図書室から廊下へ出て、二人は並んで地下へと向かった。


「あ!!!」
「やあ、ジェームズ」


いつもと同じように四人組で、その中の一人がに気付くと明るく声を掛けた。
もまた、それに笑顔で返事を返す。その隣でセブルスが舌打ちをして「先に行く」と告げるとの返事も待たずに階段を下り始めた。止めるつもりは無かったが、早々に立ち去るセブルスを見ては小さく笑った。


「まだ君はスニベリーとなんか付き合っているのかい?」
「セブルスだよ、ジェームズ。スニベリーなんて名前じゃない」
「ああ、僕らにとってはセブルスと書いてスニベリーなんだ」
「・・・・セブルスは良い勉強友達だよ」


毎回のように繰り返すセブルスのスニベリーと言うあだ名についての押し問答は今だ終わりを見せない。
は、諦めてジェームズの最初の質問に答えるとジェームズは何にしてもとセブルスに付き合いがあることが気に喰わないようで「君にだったら、もっと良い勉強仲間がいくらでも居るだろ!」と強く言った。「例えば僕とかね!」とシッカリと付け加えるのも忘れずに。


「だってジェームズは悪戯ばっかりで図書室になんて居ないじゃないか」
「・・・・うん・・・確かに。でも、せめてスニベルス以外の奴と付き合えば良いだろ?」
「セブルスは気が合うし、一緒に勉強している時間はとても充実している」
「でも・・・・・やっぱり・・・・」
「ジェームズ・・・ジェームズが言ってるのは私がジェームズにリーマスとは付き合うなって言ってるようなものだよ」
「そんなことは!」
「そんなことだよ」


ピシャリとそう言ってやるとジェームズは言葉に詰まった。
後ろからやってきたリーマスが「まあ、まあ」とジェームズを元気付けるようにその肩に手を置いた。

「やあ、久しぶりだね」
「久しぶり、リーマス」
「ジェームズ、にはの付き合いがあるんだ。人の付き合いにあれこれ口出しするもんじゃないよ」
「だけど、リーマス!」
「はいはい。セブルスが気に入らないのは分かってるよ」
「だったら!」
「だからって、自分の意思を他人に押し付けるのは良くないだろ。それくらい君だって分かっているだろう?」
「・・・・分かってるけど・・・・けど、スニベリーだけは・・・・別格だ」


悔しそうに呟いたジェームズ。
リーマスが「悪いね・・・ジェームズはセブルスを異常なほど敵対してるんだ」と言えば、は苦笑して「知ってる」と返した。


「さあ、ジェームズ寮に戻ろう」
「・・・・ああ。またね、
「うん、また。ばいばい、ジェームズ、リーマス」
「よい夢を」
「リーマスも」


ジェームズとリーマスが上っていく階段の上には、自分に気付いたにニコニコと手を振るピーターと一年の時と変わらず、を睨みつけるように立っているシリウスが居た。
二人が階段を上り終えると、シリウス以外の三人はに手を振り小さく笑ったあと背を向けた。
もまた、手を振り返し地下への階段を下り始めた。


「僕はもう呆れを通り越して感心しているよ」


太った婦人に「レモンキャンディー 強烈!」と合言葉を告げ、談話室へ入るとジェームズは後からやってきたシリウスにそう言った。すると「ああ?なんの話だ?」とシリウスは顔を顰めた。
さらに、その後ろに居たリーマスがピーターに手を貸しながら「のことだろ?」と笑いを含めながら言った。そんなリーマスにピーターは小さく「ありがとう」と呟いた。


「はあ?が何だって言うんだ?」
「あれだけ魅力的な子だからね!君がいつまで構わずにいられるかって思ってた。しかし、もう僕らは六年生ときた!六年生だよ六年生!つまりシリウス、君は六年間全くに手を出さなかった!それどころか、話し掛けもしなかったね!?」
「ふんっ、どこに魅力があるって言うんだよ。だいたい手を出すって人を遊び人みたいに言いやがって」


ドサリとソファーに腰を下ろして、シリウスはこれ以上そいつの話はしたくないと言いたげに言った。そんなシリウスの態度に勿論ジェームズもリーマスもピーターでさえこの話がタブーだと分かった。しかし、止めはしなかった。


「おや、否定するのかい?ホグワーツ一の美形でホグワーツ一の遊び人?」
「・・・・分かってて言ってるんだろジェームズ」
「おや?ご機嫌斜めだね。勿論、分かっているさ。君は、実は誰とも付き合ったことも無ければ誰かを好きになったこともない!一体どれだけの人がこの事実を知っているんだろうねぇ?」
「一々強調するんじゃねぇーよ」


明らかにからかい始めているジェームズにシリウスは溜息交じりにそう返す。
リーマスがどこからかお菓子を取り出して、低いテーブルの上にバラバラと置き「食べて良いよ」と一つ袋に入ったクッキーを摘んだ。「ありがとう」とキャンディーを取りながらジェームズはお礼を言った。


「ずっと気になっていたんだ。なんでそんなにを毛嫌いしているんだい?」


おそらく、本当に長いこと気になっていたのだろう。ジェームズの表情は真剣だ。
さらにリーマス、ピーターも興味津々でシリウスを見た。


「・・・・別に」


シリウスの返事は実につまらないものだった。
「別にって理由が無いわけじゃないだろ?もう六年目だって言うのに」そうジェームズが言えば、シリウスははぁーと大きな溜息を吐き水色のビニールに包まれたキャンディーに手を伸ばした。


「知ってんだろ、あいつは家だ」
「それが何だって言うんだい?」
家はブラック家と付き合いがある」
「・・・・・まさか、それが理由かい?」
「俺にとっちゃ十分な理由だ」


包み紙からキャンディーを取り出し、口に放り投げたシリウスをジッと眺めながらジェームズは顎に手を当てた。
そして、「それだけが理由じゃないだろ」そう尋ねるようにしかし確信を持った声で言った。


「・・・・・・どうだろな」


シリウスにしては珍しく、自分でも分からないと言うような弱々しい返事だった。
シリウスは自分がまだホグワーツに入学する前のある日のパーティーのことを思い出していた。
それはシリウスとの初めての出会いだった時だ。


「あいつ・・・・意味わかんねーんだよ」


誰に言うわけでもなくシリウスはそう呟いて、「寝る!」と勢いよくソファーから立ち上がった。














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ぶ、ブハァッッ!!!ごめんなさい。
もう・・・なんか、更新停止に近い勢いで更新してませんでした。
前回の更新が一月・・・・そして今は六月。
ああ、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい。
しかも、一年から急に六年生まで飛んでます・・・・・グハァ
あんまり、長々と連載するつもりはありませんので・・・・一気に六年生に。
え?ルシウス・・・・・ああ・・・・後々ですよ。

2006/06/14      ←拍手を送る?



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