「完璧なんですって」
「あの容姿だけでも凄いのに、誰にでも優しくて寮なんて気にしていないんだって」
「それに聞いた?全ての教科が得意科目。つまり正に完璧なのよ!!」
ホグワーツに入学して一週間。
日本という国からやってきたハッフルパフ生。
初日から生徒の目を惹き、一週間で全校生徒の憧れの的となった。
「顔だけ」「容姿だけじゃね〜」そんなことを言っていた者もいた。
しかし、一週間で彼女の嫌な噂は最初から存在しなかったかのように消え失せた。
今聞こえるのは「完璧」と褒め称えるような言葉ばかり。
欠点が無いと言われるくらいに完璧な彼女と僕は話してみたくなった。
まずは話してみなくちゃね。
「初めまして。さん」
僕の隣には特に興味も無さそうに注目の的である・をジッと見るシリウス。
興味が無いくせに観察はするんだから面白い。
僕は、友好的な笑みを作って図書室で本を読む彼女に声をかけた。
一人で居ることに少々驚いたが、その理由はすぐに分かった。
美しすぎる。
だから誰も近づきたくても近づけない。
遠目に見ているだけで十分なくらいに彼女の本を読む姿は絵になっている。
だけど僕は彼女と話すのが目的。
読書の邪魔をするのは申し訳無いけど話しかけさせてもらった。
「・・・・初めまして。・・・・・ポッターさん・・・・それにブラックさん」
僕は柄にも無く、目を見開く。
僕の名前を知っている?シリウスの名前も?
まだ一週間しかたっていないのに・・・・・何故?
「二人ともハンサムだから。噂を耳にする。有名なんだよ」
彼女は僕の心を読んだように答えた。
クスッと笑って、「それで?何か御用があったのでは?」と聞いてきた。
僕は慌てて意識を戻して、目の前の彼女に言った。
「一度、話してみたかったんだ。完璧と言われる少女にね」
「完璧なんかじゃないよ。私は普通。珍しくも無いさ」
「・・・・・・・っふん」
シリウスは彼女の何が気に入らないのか不満そうに鼻を鳴らす。
それに対して、は嫌な顔一つせずシリウスを優しい瞳で見る。
凄く大人びている。そう思った。
何だか僕等とは全く別の世界の人間のようだった。
優しく微笑む彼女に、シリウスは眉間に皺を作ったけど何も言わない。
「・・・なるほどね。実に魅力的だ!」
「そう?」
何が?と聞かない辺りがまた実に面白い。
何が魅力的と言っているのか分かっているようだ。
彼女は実に良い友人になれそうだ!
僕は、スッと彼女に右腕伸ばす。
「友達に!ジェームズ・ポッターだよ。改めてよろしく!」
「・。よろしく」
彼女は僕がそう言うのが予測済みだったように自然と手を握り返した。
シリウスは相変わらず無言で、手を差し出すようなこともしなかった。
だけど彼女は気にする様子も無く、笑っている。
うん、実に興味深い!
彼女は「そろそろ午後の授業が始まるから、失礼するよ」と言って最後まで笑顔で図書館を立ち去った。
残された僕等は全く異なった顔をしていた。
シリウスは無言で、ただ先ほどまで彼女の座っていた椅子をジッと見て眉間には皺を。
僕は、実に幸せそうに笑っていることだろう。
「彼女が人気な理由、分かったよ」
「っふん」
「・・・・・僕のもう一人の友人には困ったもんだよ」
「うるせぇ」
僕は業とらしく肩を竦めてみせて、隣の友人を見る。
そうすれば、彼はいつものように不満そうに呟くだけ。
個性は大切だけど、僕の周りには面白い個性がいっぱいのようだ。
彼女も、彼も実に面白い。
ホグワーツでの七年間が益々楽しみになってきたよ。
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ジェームズ視点でございます。
別に、狙ってはいませんでした。
ただ、書いたらジェームズ視点になっていた。それだけです。
シリウスが無愛想。
この頃のシリウスは無愛想だったんじゃないかってのが私のイメージです。
だって家のこととかでねぇ〜
ジェームズはまだシリウスとだけお友達です。
2005/11/15
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