「A・B・C順に名前を呼びます。呼ばれたら前に出て、組み分け帽子を被りなさい」
見るからに厳しそうな顔をした副校長のミネルバ・マクゴナガルは緊張した面持ちの新入生に言った。
生徒達は帽子を被るだけで良いと分かり安堵の息を吐く。
「組み分け帽子か。実に面白そうだね」
黒髪でハシバミ色の瞳に丸い眼鏡を掛け、子供のように笑う少年。
その笑みには子供っぽさと同時にどこか策士の様な雰囲気も感じられる。
丸い眼鏡はオシャレとは言い難いにも関わらず少年は十人中十人がカッコ良いと答えるような顔立ちをしていた。
眼鏡ですら、彼の魅力を引き出す一つのアイテムであるかのように見えるのは気の所為では無いだろう。
「・・・・・・・組み分け・・・・・」
丸眼鏡の少年から少し離れた場所では、小さく呟く鳶色の髪に青白い顔をした組み分け自体にあまり興味なさそう少年。
整った顔はしているものの、その瞳はどこか霞んでおり期待を胸に抱えた新入生とは思えない。
「・・・だ、だいじょ・・・ぶ・・・・被るだけ・・・」
そして、一人でずっと怯え続けるぽっちゃりとした体系のどこか頼りない少年。
その横には誰が見てもハンサムと答える整った顔立ちをし、特に手入れをしていなさそうな黒髪の少年。
ただ前を見据えて、どこか不満そうに名前を呼ばれる生徒達の中に立っていた。
スリザリン!
レイブンクロー!
グリフィンドール!
ハッフルパフ!
生徒一人一人に組み分け帽子は高々と寮の名前を告げる。
どの生徒も不安の顔から一気に安堵の表情へと変化し、歓迎してくれている上級生の下へ駆け寄っていく。
中には、無表情な者もいたが・・・・・
新入生の全員の組み分けが終わるという時、最後に残った一人の少女に生徒の目は釘付けになった。
どこか自分達とは違った雰囲気に自然と生徒は身の乗り出し、少女を一目見ようとざわめく。
「紹介しよう。日本という島国からわざわざホグワーツを選んでやって来てくれた・じゃ」
東洋人を珍しく感じる時代であるため、校長であるダンブルドアはの組み分けの前に簡単な紹介をしてくれた。
静まり返った広間の目はダンブルドアからに一斉に注がれる。
「学ぶなら本格的にしっかりと学びたいと思いましたので歴史も深いホグワーツを希望させて頂きました。
ご紹介頂きましたとおり、日本という島国からやって参りました・です」
静かに、しかし広間全体に行き届く声では喋った。
漆黒の髪は真っ直ぐと下ろされておりサラリと揺れるだけで、邪魔などと感じさせることは無かった。
胸の当たりまで伸ばされた漆黒の髪と、透き通るような白い肌は思わず見惚れてしまうようなものだった。
そして極めつけは、ニッコリと綺麗に微笑んだ顔だった。
この瞬間にどれだけの者が胸を打たれたかは誰にも分からない。
完璧と言えるほどの容姿だった。
それは、まさに 衝撃 だった。
「それでは組み分けを」
ダンブルドアは視線をに向けると静かに言った。
も無言で頷き、組み分け帽子の下へ足を進める。
生徒達の心は一つだった。
『 同じ寮に! 』
ハッフルパフ!
組み分け帽子は生徒の期待を知っているかのように、高々とそして盛大にその名を叫んだ。
ハッフルパフは善良ですべてのものをば教えたり
学ぶものを選ぶまい。すべてのものを隔てなく
広間は割れんばかりの拍手で包まれた。
同じ寮になれたハッフルパフは盛大に歓迎の意を表し、その他の寮も悲しむ姿も見られたが同じ生徒であることに気を取り直し、どの寮もを歓迎した。
は組み分け帽子を丁寧に椅子の上に戻すと、ダンブルドアに一礼、そして教職員席へ向かって一礼して広間でも特に歓迎を表してくれているハッフルパフの席へと向かった。
空いている席へ辿り着くまでの間、は横を通った全ての生徒に「ようこそ!」「歓迎するよ!」「おめでとう!」などと声を掛けられた。
そんな生徒達に笑顔でお礼を言いながら、は席を探した。
間近で見るの笑顔に真っ赤になる者、同じように笑顔を返すもの様々だったがの注目度は上がる一方だった。
「ここ!空いてるわよ!」
そう叫ぶ声が聞こえて、声が聞こえた方へ視線を走らせれば、チョコレート色のフワリと軽くカールした肩辺りまでの長さの髪を持った少女が手を振っている。
は少女の隣に座ることを決め、少しだけ速度を速めた。
「ありがとう!」
はニッコリと笑って、髪と同じようにチョコレート色の瞳の少女にお礼を言った。
少女もニッコリと「どういたしまして」と笑い返す。
「私もあなたと同じ、新入生。クリスチャー・ジャーナムよ。よろしく」
「・です。よろしく」
「敬語なんていらないわ!クリスって呼んでちょうだいね」
「わかった。私のことはで構わないから」
どちらからでもなく、自然と握手をして二人は目の前の料理に手を付け始めた。
はホグワーツで最初の友人に出会った。
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新連載・・・・。
別の連載を停止してるくせに新連載とかすみませんorz
でも、書きたくてしかたなかったのです・・・・・
更新はゆっくりやっていくつもりです。
友情と恋愛をメインに書ければ良いなと思っています。
何だか、この連載の書き方って難しい・・・・けど楽しいのも本音。
親世代で頑張るぞ。
2005/11/15