花が咲くのは自然なこと 花が散るのも自然なこと
楽しければ 笑う
可笑しければ 笑う
それも自然なことではないのだろうか?
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「・・・ま、要するにだ、彼女は笑えない訳じゃない。笑い方を知らない、もしくは忘れたんだ」
「何がどうなって『要するに』になったんだよ」
「黙っていたまえ、パッドフッド」
彼女を知ってから半年が経ったであろう時期。季節は変わり冬である。
暖炉の前に腰を下ろす四人は、今では誰もが認めるグリフィンドールの人気者で暖炉の前に彼等が集まるのも周知の事情であった。今日も今日とて、彼等の話の中心は『沈黙の少女』−−今はその言葉を耳にする機会も減ったのだけれど−−、。その人物だった。
「その笑い方を知らない、忘れたのが事実だったとしてどうしたいんだい?」
「良くぞ聞いてくれたね、ムーニー!」
パッと輝かんばかりに顔を上げ−−実際に輝いたような気もしなくはない−−喜びに声を弾ませたのは、話題を持ち出した張本人ジェームズだ。彼は実に楽しそうに語りだした。もうすぐクリスマス休暇なんだ!と。
「クリスマス休暇が何だって言うんだ?」
「シリウス、君、クリスマス休暇は家に戻るのかい?」
「は?戻る訳ねぇだろ」
「そうだろうとも!・・・さて、はクリスマス休暇戻ると思うかい?」
「知らねぇ」
「の、残るはず・・だよ」
「その通りさ、ピーター」
満足そうに頷き、ジェームズは「絶好のチャンスだ」と口の端を上げた。
「彼女が『笑う』を海の底に沈めたとしても、忘れたとしてもそれを再び引き上げるのは一人では無理だ。だったら、」
「私達が手伝えば良いだけのことよ」
何の前触れも無く加わった声は、ジェームズの愛しい人リリー・エバンズのものだった。彼女は「偶には良いこと言うじゃない」とジェームズに微笑みかけ−−ああ、リリー!素敵過ぎる!−−気にする様子も無く、彼らと同じくカーペットの上に座り込むと「私も引き上げる手伝いさせて頂戴ね」意気揚々と言った。
「勿論だよ、リリー!」
「ありがとう」
「引き上げ作業の仲間が増えた!決戦はクリスマスだ。彼女に僕らから『笑い』と言う最高のプレゼントを届けてあげようじゃないか、諸君?」
「ああ、が断ったとしても強制受け取りさせなきゃね」
「面倒臭ぇけど仕方ねぇ、俺もそう言う作業だったら嫌いじゃねーしな」
「ぼ、僕出来るだけ頑張るから!」
ジェームズの意気込みに、リーマスはにこりと笑って答え、シリウスはややダルそうにしつつもその口元は楽しそうで、ピーターはクリスマスが待ち切れないと言わんばかりに張り切っていた。
「こう言う時の悪戯仕掛人は頼りになるわ」
本人達に聞かせれば逆上せ上がるのは分かっている。だから、リリーは気付かれない程度に小さく呟き微笑む。
「何か言ったかい、リリー?」
「・・・いいえ、何にも。私も楽しみだわ」
海底に沈んだ『笑い』を引き上げてみせよう 準備はこれから 決戦は クリスマス