| 8月31日 高校生になって初めての夏休みももうすぐ終わり。ずっと夏休みは暇だった。やることと言えば宿題と家事くらい。そう、友達が居ないから。望んで入った高校なのに一度だって入って良かったと思ったことはない。ツマラナイ。 これがもし私以外の誰かが読むことになった時のために書いておくけど、「いじめ」にはあっていない。そんなものじゃない。私は存在していないんだ。学校にクラスにという存在は無い。居場所は無い。誰も私に気付かない。誰も私を知らない。一日に一度口を開くか?開かない。だって相手が居ないんだもの。口を開く理由も無い。ああ、食べるために開くか。でも、それは生きるため。だからもう本当に口を開くことはなくなるんだ。 変化の無い毎日がつまらない。毎日思う。私は必要な人間? 何をやりたいのかも分からない。何もやりたいことが無いのかもしれない。そんな毎日がただ流れて、嫌になった。生きることが。 きっと私が死んでも誰も悲しまない。それどころか「?誰それ?」そう言われるんじゃないだろうか。ああ、そんな死んだ後のことなんてどうでも良いんだ。 決めた。明日、死のう。いつものあの踏み切り、いつも乗ってるあの電車を待とう。明日だけはホームじゃなくてレールの上で。一瞬で、きっと確実に死ねる。 中学から続けた日記も今日で最後。まだまだページはいっぱい余ってる。でも、続きは死後の世界ってことにしよう。ああ、でも死後の世界さえつまらなかったらどうしよう・・・そうか、その前に死後の世界ってあるのかさえ分からないんだ。・・・・・・無くても良いか。死ぬんだし。 さよなら つまらない日々 そして、 |
「私。」そう締めくくりは日記を閉じると、長年世話になった机の一番上の引き出しの一番奥にしまった。
唯一ある部屋の電気を消した。細い月が綺麗だった。
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「行ってきます」
それが家族との最後の別れになると知っているのは、目の前の踏切を前に佇んでいる一人の少女だけだった。
いつも通りに起きた。いつも通りに朝食を摂った。そしていつもの会話、いつものニュース番組。変わっていたのは少女の気持ち。それだけだった。
− − − カ ン カ ン カ ン カ ン
聞きなれたその音は警報機が発していた。
注意せよ
そう音が、赤いライトが知らせている。そして、この遮断機も。
はゆっくりとその遮断機の下を通り抜けた。
電車は左からやってくる。この線路を通って。
見えてきた。
ああ、電車の音だ。
人間なんて敵わない。
あんなスピードだ。
一瞬だろう。
警笛が鳴った。
あ・・・運転手さんごめんなさい。人なんて轢きたく無いですよね・・・
でも、もう決めたから。
すぐ近くで大きな警笛が鳴る。
目の前は
頑丈な
鉄の壁
ポォーーーッ
シュッシュッと規則的な音が聞こえた。
・・・・・・おかしい
目を開けた。
もうしかして三途の川とやらは船じゃなくて汽車で渡るものだったのかな?
どうやら汽車に乗っているらしい。
は窓に顔を近づけ、状況を把握しようとした。
「・・・・・死んだんだよね?」
思わずそう呟くほど、窓の外は美しい自然に囲まれており三途の川とも死後の世界とも思えなかった。
ただ一つ
「日本じゃない」
空も自然も言われなくても日本のものでは無いとは分かった。
ポォーーーッ
再び汽笛が響いた。
ようこそ少女 生きなさい