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とロザが扉を開けると、もう一人のルームメートは既に己の机にテキパキと教科書やノートを並べていた。そんなルームメートに「こんばんは」と声を掛けると手元の本からゆっくりと視線を外しまるで睨みつけるかのようにそしてロザで視線を止めた。そして、その鋭い眼差しをそのままに口を開いた。
「好きでグリフィンドールになったんじゃないの」
とロザは少なくとも十秒間はピクリとも動かなかった。“好きでグリフィンドールになったんじゃないの”その言葉の意味を理解するのに思ったよりも時間を要した。
二人の反応を気にすることなく再び本へ視線を戻した彼女に漸くは言葉を発した。
「・・・・あ、えっと・・・・」
「私、お兄ちゃんが居るの。スリザリンにね。だから絶対にスリザリンになるつもりでいたの。それなのにあの帽子!私がスリザリンって頼んだのに“グリフィンドールへ行けば掛け替えの無いものが手に入るだろう”って!そんなのどうでも良いわよ!私はお兄ちゃんと同じ寮に入れると思ってたのよ!ずっと楽しみにしてたの!」
の発した言葉は言葉と呼べるような代物では無く、しかしそれを気にすること無く更に荷物を整理する手は休めず、彼女は怒りを露(アラワ)にした。
「信じられる!?」
漸く彼女は片付けていた手を休めた。しかし、本を思いっきり机に叩きつけダンッととロザの二人を驚かせるには十分な音を出してである。
「さ、さぁ・・・」
「あなたグリフィンドールが嫌いなの?」
もう何と答えて良いのか分からないに対してロザは顔を顰めて、眉を吊り上げる少女に問うた。少女は少しだけ怒りを収め、そして困ったような表情を見せた。
「嫌いってわけじゃないの。ただスリザリンが・・・お兄ちゃんと一緒が良かったのよ。お兄ちゃんがグリフィンドールならグリフィンドールでも問題無かったわ」
「お兄ちゃんが大好きなのね」
漸くがまともな言葉を話すと、少女は「あたりまえよ!」と怒っているのか喜んでいるのか分からない口調で答えた。
「そんなところで突っ立てないでさっさと入ったら?」
未だ部屋の入り口に立ち続けていたとロザは言われたとおり、各々のベッドへと向かったのだが好きで立ち尽くしていた訳では無い。原因は目の前で偉そうにしている彼女なのだ。は「あなたの所為で立ち続けてたのよ!」と叫びたかったが、ぐっと我慢した。ルームメートと初日から喧嘩なんて喜べる出来事であるはずが無かった。
「あなた名前は?」
「貴方達こそ」
ロザの問いに少女は変わることなく偉そうに顎で二人を指し同じ質問を返した。
ロザももやはりその態度にムッとしたが、ロザは少し唸るように「ロザンナ・テラードよ」と答えた。も同じように不機嫌に名前を教えた。
「私は、アスメンダ・リブルボーン。アスだとかアンだとかって皆は呼ぶわ。好きに呼んで」
「・・・・アンって呼ぶわ。私のことはロザで良いよ」
「オーケー。ロザにね。それじゃあ、私そろそろ寝るわ。お兄ちゃんと一緒になれなかったのは残念だけど、グリフィンドール生になったからには、私、グリフィンドールが優勝するように点数稼ぎはするつもりよ。そりゃあ、グリフィンドールとスリザリンはライバル同士だけどお兄ちゃんはそんなことしないもの。でも、優勝は私だってしたいもの。例え、お兄ちゃんが相手だとしてもね。そのために、たっぷり寝て明日に備えるのよ。貴方達もそうするべきよ。それじゃあ、おやすみなさい」
口を挟ませる暇無くアンはそう言って、いつの間にかベッドに移動して布団を被っていた。そして、サッとカーテンを引いてしまった。
「・・・・ちょっと嫌な子だけど・・・まあ、時間がどうにかしてくれるかもね」
「・・・・そうだと良いね」
第一印象は最悪だったが、少しだけ、ほんの少しだけ友達になる可能性があるかもしれないとそしてロザは思った。
小さく「おやすみ」とお互いに呟き、カーテンを引いた。
新しい登場人物はそしてロザのルームメート。
スリザリンになりたかったグリフィンドール生という珍しいような気がする子です。ちょっと偉そうな子なんですけど・・・
ハーマイオニーと被る部分が無くも無いですが、全く違うと言えば違います。
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