ジローと別れて一度部屋に戻った私は、この日光サンサンの中テニスをしようって言う皆々様の雄姿を拝見するために日焼け止め塗ったりと、ちょっと対策をした。 因みに、ハイテンション少年と呼ぶのはやめた。だって、長いんだもん。 私が部屋に戻った間に、結構な人数が活動を始めたようで部屋の窓から見える場所には少年達の姿が見られる。 窓を開け、そんな彼等の様子をボーッと眺めているとふっと目があった。 「おっはよーございまーす!」 やたら元気な、モジャモジャの頭の子。そう、天パァだ。 絶対朝弱そうなのに、普通に元気に手を振っておりますよ。私、吃驚なのですが。 「おはよー、天パァ。あんた、意外にも朝強いんだねー」 そう叫び返してやると「今日は、奇跡的にッス!」と笑顔で答えた。 あぁ、奇跡的になのか。 「先輩はまだ寝てたんスかー?」 「いや・・寝てないし。ばっちり起きてる。しかも、『まだ』ってアンタはいつも寝てんでしょうよ」 「え?聞こえないッスよー?」 「別になんでもなーい!」 「先輩、下りて来ないんッスかー?」 「・・・行くよー」 「んじゃ、俺ここで待っててあげますよー!」 語尾が伸びるのは仕方ない。だって、天パァと私との間には長い距離ってものが存在するんだから。 まぁ、伸ばさなくても多分通じるんだろうけど叫べば思わず伸びちゃうもんでしょ? と・・そんなことはどうでも良いや!下りなきゃ! 「そんなに急でいると転ぶ確率、」 「30パーセント」 「は?」 「気を付けた方が良い、さん」 階段を急ぎ足で下っていると・・・・細目に出会った。 そして、細目と同じように何かと%を使う、メガネの人・・・名前は・・・名前は・・・えっと・・・ 「乾貞治だ」 「そして、俺は柳蓮二。さんが覚えていない確率は100%だからな」 「・・・あぁ、どうも。ご親切に。あと『さん』いらないわ。年下に見えないし。君達」 もう、細目とか・・・そう言うあだ名はこの際無かったことにしよう。 ウン・・もう良いや。普通に、名前で頑張って覚えてみよう。無理かもしんないけどさ。 まぁ、乾と柳だっけ?どうにか覚えられるかな? 「あっ、じゃあ急いでるんで。ご忠告ありがと」 「ああ」 「またな」 一瞬『またな』に対して『また?』と思ってしまったけど、まぁ一週間。またはあるな。 そう思って「またね」を返しておいた。 「先輩おっせぇ!!」 「うるさいなー。乾と柳って人に会ったから、少し挨拶してたの!」 これでも急いで来てやったのに! ちょっとムカッとしたので、とりあえず天パァの髪をグシャっとしてやった。 「なぁ!何するんスか!」 「・・・復讐」 「はぁ?先輩、意味わかんないスよ」 「なんでも良いのよ。それより、その先輩ってやめない?私、年上だけど先輩って訳でも無いんだしさ?」 「良いんスか?」 「まーね。ちょっとだけ挫折してあげることにしたの」 「へぇ・・そりゃまた、何で?」 「秘密ー」 「言うと思ったッス」 じゃあ聞かなきゃ良いのにって思ったけど、言わない。 それよりも、ジローとの約束を果たそう。テニスコートへ向かおうじゃないか。 場所の分からない私。案内してくれるんだろう、天パァ? 「天パァ」 「・・・んな、名前反応したくねぇッス」 「じゃあ名前教えなよ」 「切原!切原赤也!」 「あっそ。じゃあ、切原」 「なんスか?つか、赤也希望」 「テニスコートに行こう」 「無視ッスか・・・」 「テニスコート、テニスコート、テニスコート、テニスコート、テニスコー」 「だぁ!!!わかりましたよ!行きゃあ良いんでしょ!行きゃあ!」 「そ、わかってるねー。赤也君!」 眉根を寄せ「君はいらねぇッス」と呟き、赤也は歩き出した。私は、その後を一定の距離を保ちながら着いて行く。 気温は高い。でも風がある。悪くない天気だ。 「赤也ー」 バッと振り向く赤也。・・・面白い。 「良い天気だね」 「・・・そうッスね!」 ニッと満面の笑みを見せる赤也。あんた可愛いよ。 |
テニス日和ッスね!