ダッシュ!ダッシュ!ダッシュ!全力疾走!!! 今の私なら100m10秒でいけるかも!(気持ちだけならね!気持ちだけなら!) 「いやぁ!来んなぁぁぁ!!・・・か、勘弁!」 何事だと振り返る人達。その気持ちよーく分かります。私だって貴方方の立場なら思いますもん。うん、絶対。 だけどね、仕方ないの!だって私、追われてますもん!し、しかもテニスの王子様二人に!(王子様って呼んで良いのか知らないけどさ!) 「イヤだ!ほっといて!放置、放置!放置プレイ希望!」 「何、言うてんね。意味不明やでお譲ちゃん」 「大人しく捕まりんしゃい」 「いやいやいやいや!死ね!聞けぇ!」 メガネも銀(髪まで言うのが面倒になった)もシ・ツ・コ・イ! もう正直体力の限界です。なんであんなキャラ役の人間に追われてしかも捕まらにゃならんのだ! 私は必死だ!そりゃもう、人生初の超必死だ!最後の力を振り絞り角の前で一気にスピードを上げる。 「来んなぁ!」 「こっち!」 「へ?・・・あー!」 「こっちだって。早く」 「え?え?」 角を曲がった瞬間飛び出してきたのは(多分飛び出したのは私だろうけど)先ほどの缶ジュースばら撒き少年。(以下面倒なので「缶ジュース」と呼ぶ) 何がなんだか分からないけれど少年は私の手首を掴むと(そりゃもう、ガシッとね。ガッシリ)私の言葉も聞かずに走り出す。(別に何か言おうと思った訳じゃないけど聞けよ・・・) ***** どこなのか分からないけど(私はあんまりイベント会場を見て回っていないのだ)缶ジュースは目的の場所についたらしく、走るスピードを緩めそのまま立ち止まった。 ・・・・な、なんで息上がってないんでしょうか?私、今にも喘息起こしそうでございますよ? そう!この缶ジュース走るのが速いのだ!有り得ないくらいに! 「・・はっ・・あ、ありが・・とっ」 「別に。それより何で追われてたの?」 「・・さ・・さぁ・・・」 「・・・理由も無く、あんた追われてたの?」 「どっどうだろう・・あった気が、するっ・・け、ど」 「とりあえず座んなよ。あんた体力無さ過ぎ」 「・・・・どうも」 お前がありすぎるんじゃボケェ!と言う言葉を必死に喉仏あたりに吸収させて(飲み込むのは不可能な位置まで来てたから)言われた通りにその場に腰を下ろした。そこで漸く大きく深呼吸して少し落ち着いた。 それから、缶ジュースは無言だから私は追われていた理由を考える・・・・逃げたのは私。だけど・・・何故追われる必要があったんだ? 「・・どう?理由思い出した?」 「い、いや・・・理由と言えば私が逃げたから?」 「逃げたって何で逃げたのか聞きたいんだけど・・」 そう溜息を吐いて缶ジュースは私の隣に腰を下ろす。 ・・・・何で逃げたか?な、なんで・・・えっと・・・えぇ・・・と、・・・逃走不可能・・・そうだ! 「銀に『逃走不可能じゃ』って言われたから」 「・・・銀って・・・ま、良いや。なんか、あんたと話してても埒が明かない気がしてきた。逃走しようとした最初の理由ってのを話してよ」 「・・・あー・・・そりゃ、抽選に当たったからだよ」 「抽選・・・って、さっきの・・・・?」 何故だか驚いた様子の缶ジュースにコクリと頷いて見せる。缶ジュースも景品狙いだったのかな? って、ことは・・・ 「あ、もしアレだったら今も助けてくれたし、さっきのお詫びも兼ねてこの抽選券いる?」 「・・・いや・・・それより・・・」 「ん?」 私が取り出した抽選券には目もくれず少年はジッと私も見た。・・・え?何?何かやらかしましたっけワタシ? ま、待って・・思い出すから!タンマァ! 「・・・ふーん、アンタがねぇ。悪く無いよ」 「は?」 「おめでとっ」 「・・・っ!?・・・な・・なぁ!!!」 「アンタ誰かと付き合ったことないでしょ?」 ニヤリと缶ジュースは笑う。・・・・・・・こ、こ・・・コイツ・・・死ね!死ね!死ね!!! 私は唯必死に口元を押さえ、そいつを睨みつける。 「気付いてないみたいだけど俺もテニプリキャラね。越前リョーマ」 「・・・・・」 「行こうか。そろそろ時間だし。あ、・・・アンタの初チューご馳走様」 「ッ!」 いつか叩き潰してやる! 缶ジュース!お前は一生缶ジュースだ! 必死に振り解こうとした缶ジュースの手は私をガッチリ掴んだままで、私は90%引き摺られる形でその場を後にした。 |